イカつい友達の話

学生時代の友人が妙に腹立たしい事を言うタイプの人間で、よく女の子と対立しました。あえて悪いことを言っている訳ではなく、素で色々言ってしまう人間でした。残念な事に私たちは、クラスの上位層に楯突くことすら出来ない立場にも関わらず、ズケズケと言えるタイプでした、冷静に考えれば同級生に対して、カースト制度が存在する事がおかしいのですが、私は律儀にカーストを守り怖い人には、

近ずかない

喋りかけない

反論反抗しない

を守ってました。

しかし友達は違いました、自分が嫌だと思った事は全て言って、自分が納得するまで徹底的に勝負してました。もう良いよとクラスの雰囲気を感じ取ることもせず、不平等は排除し我々弱者も意見する義理があると言わんばかりに、行事では揉めに揉めてました。勿論上の者達は下の人間が意見することに対してとてつもなく、苛立っているのが全身で感じ取れました。妥協されたのか呆れられたのかは分からないが、毎度こちらが勝利を収めてました。そうして掴み取った行事の栄光に対して、文句を垂れる上の者たち。それもそのはず身分が違う人間が、勝手に文句をダラダラ垂れてきて、最終的に我々上の者から全てを奪って行っているのだから。その様子を目撃した私は即伝えに行った、すると強靭なメンタルの持ち主の友達はこう言った。

「知らないよ後出しで文句言ったって」

強い強すぎる、私の歴代友人の中でもトップクラスで強い。なぜか私の周りにはメンタルお化けが集まってくることに定評があるがここまでとは恐れ入った。

その子は残念ながら同性には信じられないくらい嫌われてしまう人間性だが、私にとっては仲のいい友達の一人として存在している。

信じられないくらい嫌われる特徴が全くもって分からなかったが、数年経った今なら若干わかった気がする。

マウントだった。

実を言うと私は、マウントが効かないタイプで、自慢も普通に受け流して凄いねくらいにしか思わないので、彼女が嫌われている理由がイマイチ分からなかった。みんながなんかこの子好きになれないと言っている中私一人、頼りになるメンタルお化けとの評価をしていた。みんななんでもマウントマウントばっかり言っているが、正直な所今ひとつマウントが分からない私がいる。これは幸せな事だと自分に言い聞かせながら、今日もネットに蔓延る自慢とマウントを素直に凄いと思うばかりである。